29  適用例

29.1  湿気および水による損傷

29.1.1  一般

赤外線カメラを使用して、家の湿気および水による損傷を検出することができます。この理由としては、損傷を受けたエリアの熱伝導容量特性が異なること、および周囲の材料と熱の保有容量が異なることによります。
湿気および水による損傷の熱画像への表示方法には、多くの要素が関係しています。
例えば、材料および一日のうちの何時かによって、これらの部分の温度上昇や温度低下の程度が異なります。このため、湿気や水による損傷の検査を行うときに、別の方法も使用することが重要です。

29.1.2  

以下の画像は、出窓の設置が正しくなかったために水が壁に浸透し、外壁が広範囲に水による損傷を受けている例を示しています。
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29.2  ソケットの不完全な接続

29.2.1  一般

ソケットの接続タイプにより、不適切に接続されたワイヤがローカル温度の上昇を招くことがあります。引き込みワイヤとソケットの接続ポイントの接触部分が減るために温度が上昇し、漏電による火事の原因になることがあります。
製造業者によって、ソケットの構造は大きく異なります。このため、ソケットの違いが原因で、赤外線画像で共通する典型的な外観になります。
ワイヤとソケットの不完全な接続や抵抗の相違によって、ローカル温度が上昇することもあります。

29.2.2  

以下の画像は、ケーブルとソケットの不完全な接続が原因で、ローカル温度が上昇していることを示しています。
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29.3  酸化したソケット

29.3.1  一般

ソケット タイプおよび設置されたソケットの環境によって、ソケットの接続面に酸化が発生することがあります。ソケットに接続されると、これらの酸化によって抵抗が上昇し、赤外線画像で温度上昇して見えます。
製造業者によって、ソケットの構造は大きく異なります。このため、ソケットの違いが原因で、赤外線画像で共通する典型的な外観になります。
ワイヤとソケットの不完全な接続や抵抗の相違によって、ローカル温度が上昇することもあります。

29.3.2  

次の画像は、1 つのヒューズがヒューズ ホルダーの接続面の温度が上昇している一連のヒューズが表示されます。ヒューズ ホルダーの空間材料のため、温度上昇はここでは目には見えませんが、ヒューズのセラミック材料で見えます。
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29.4  断熱材の損傷

29.4.1  一般

断熱材損傷は、壁枠の空洞が確実に閉じられていないために時間の経過につれて、断熱材が損傷するために発生します。
断熱材損傷が発生している箇所は、正しく設置されている箇所に比べて熱伝導率特性が異なるため、また建物枠に空気が入り込んでいる部分が表示されるため、赤外線カメラで断熱材損傷を検出することができます。
建物の検査をするとき、建物内と外の温度差が少なくとも 10°C になるようにしてください。びょう、水道管、コンクリート柱および同様の構成要素は、赤外線画像では断熱材損傷として表示されます。小さな誤差が自然に発生してしまうこともあります。

29.4.2  

以下の画像では、平らな屋根で断熱が不足しています。断熱が不十分なため、空気が平らな屋根に入り込んでしまい、赤外線画像で典型的な外観になっています。
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29.5  隙間風

29.5.1  一般

隙間風は、すそ板、ドアや窓枠の周囲、および天井の飾りの上に発生することがあります。この種の隙間風は赤外線カメラで表示できます。冷たい風が周囲を冷却している状態で表示されます。
家の隙間風を調査するとき、室内が準常圧である必要があります。すべてのドア、窓、換気口を閉じ、台所のファンを赤外線画像の撮影前と撮影中に動作させておきます。
隙間風の赤外線画像は、典型的なストリーム パターンで表示されます。以下の画像では、このストリーム パターンをはっきり見ることができます。
床暖房回路からの熱のために、隙間風の効果が隠れてしまうことがあることに留意してください。

29.5.2  

以下の画像では、取り付けの不完全な天井のハッチが、強い隙間風の原因になっていることを示しています。
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