18  Inspection Route‎

18.1  一般

FLIR Inspection Route は、熱検査を合理化し、データ収集とレポート作成を簡素化するソリューションです。このソリューションには、FLIR ソフトウェアとカメラの準備、検査、後処理のサポートが含まれます。
Inspection Route 機能を使用すると、カメラがあらかじめ定義された検査ポイントのルートに沿ってオペレータを誘導し、画像とデータが体系的に収集されます。FLIR Inspection Route は、不足がないこと、すべての検査結果が最初から適切に整理されていることを確実に行い、後処理とレポート作成を高速化します。
検査ワーク フローは、柔軟性の高い検査ルート ファイルによって定義されます。自動ワーク フローを設定することができるため、画像が保存されたときに、カメラが自動的にステータスと手順を次の検査ポイントに設定します。オペレータは、ステータスの選択、コメントの追加、画像の追加を手動で行うこともできます。

18.1.1  FLIR Inspection Route‎ ソリューション ユーザー マニュアル

FLIR Inspection Route ソリューション ユーザー マニュアルには、有効化された FLIR Inspection RouteFLIR Thermal Studio アプリケーション、および FLIR Ignite クラウド サービスをカメラとともに使用して検査ルート ファイルを設定する方法や検査方法、検査結果の転送方法、および検査レポートの作成方法が説明されています。
FLIR Inspection Route ソリューション ユーザー マニュアルを入手するには、 http://support.flir.com/resources/route にアクセスしてください。

18.2  ユーザー インターフェース

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Inspection Route オーバーレイ画面は以下の要素で構成されています。
  • 戻る矢印
    タップすると、前の検査ポイントに移動します。
  • 現在ポイント インジケーター
    • 現在の検査ポイントの名前を表示します。
    • 検査ポイントの画像が保存されている場合は、画像アイコンが表示されます。
    • 検査ポイントのステータスを表示します。
  • 次へ矢印
    タップすると、次の検査ポイントに移動します。
  • ドキュメント アイコン
    このアイコンは、検査ポイントに説明やコメントがある場合に表示されます。説明は、検査ルート ファイルから取得されます。例えば、検査ポイントの指示やメモ書きを含めることができます。コメントは、検査中に追加されたテキスト メモです。アイコンをタップすると、説明やコメントが表示されます。

18.2.1  ドロップダウン メニュー

ドロップダウン メニューを表示するには、現在ポイント インジケーターをタップします。
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ドロップダウン メニューでは、次の操作を行えます。
  • 現在の検査ポイントのステータスを設定します。
  • この検査ポイントに保存された画像およびビデオのファイル名を表示します。
  • 現在の検査ポイントにコメントを追加します。
  • 検査リストを開きます (セクション 18.2.2 検査リスト を参照)。

18.2.2  検査リスト

検査リストには、ルートとその進捗状況の概要が表示されます。また、検査ルートを編集することもできます。
検査リストの内容は、検査ルート ファイルで定義されます。ルート構成と名前はファイルから取得されます。
検査リストを開くには、現在ポイント インジケーターをタップして、[検査リスト] をタップします。
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図 18.1 

    図 18.1 に、検査リストの例を示します。
  • 最初の検査ルートが完了し、ロックされています (右側にチェックマークが表示されます)。
  • 2 番目の検査ルートが開始されています。合計 91 の検査ポイントがあり、そのうちの 1 つが検査されています。2 番目の検査ルートには、ライブ ビューの現在検査ポイントを含んでいます (検査ポイントの左側にチェック マークが表示されます)。
検査ルート構成の次の階層を表示するには、リスト内の項目をタップします。
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図 18.2 

    図 18.2 に、検査ポイントを含む階層の例を示します。
  • 最初の検査ポイントには少なくとも 1 つの画像があり、ステータスは「緑」に設定されています。
  • 2 番目の検査ポイントは、ライブ ビューによる現在検査ポイントです (検査ポイントの左側にチェック マークが表示されます)。

18.3  検査の実施

18.3.1  準備

18.3.2  検査データの取得

カメラの準備が整うと、検査を開始できます。
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18.3.3  検査ポイント データの編集

現在ポイント インジケーターに表示されている検査ポイントのデータを編集できます。
別の検査ポイントに移動するには、戻る矢印または次へ矢印を使用するか、検査リストから検査ポイントを選択します (セクション 18.3.7 検査リスト を参照)。

18.3.3.1  ステータスの設定

18.3.3.2  画像の削除

18.3.3.3  コメントの追加

18.3.4  画像の保存

画像を撮影すると、カメラがその画像を自動的にメモリー カードに保存します。画像は、現在の検査ルートの名前でフォルダに保存されます。
検査ポイントの複数の画像を撮影して保存できます。

18.3.5  ビデオ クリップの録画

検査ポイントのビデオ クリップを録画して保存することができます。詳細については、セクション 17 ビデオ クリップを録画する を参照してください。

18.3.6  検査画像の表示と編集

画像アーカイブ内の検査画像を表示および編集できます。

18.3.7  検査リスト

検査リストで、検査ルートの進捗状況を表示して、検査ポイントの結果を確認できます。

18.3.8  検査ポイントの追加

検査中に別の検査ポイントが必要になった場合は、検査ポイントをカメラに直接追加できます。新しい検査ポイントは、検査ルート ファイルに追加され、新しい検査ポイント用に取得した検査データがルート内の他の検査ポイントの結果とともに保存されます。

18.3.9  検査結果の転送

    検査結果はメモリー カードに保存されます。
  • ルート フォルダの検査ルート ファイル (.xml) には、すべての検査ポイントのデータ (ステータス、コメント、および画像ファイルのパス) が含まれています。
  • DCIM フォルダには、各ルートの画像を含むフォルダが含まれています。
検査結果を FLIR Ignite アカウントにアップロードしたり、USB ケーブルまたはメモリー カードを使用して結果ファイルを手動で転送したりできます。また、FLIR Thermal Studio を使用してメモリー カードの結果を開き、結果をコンピュータに保存することも可能です。
検査結果を転送して安全に保存したら、カメラから検査ルート ファイルと画像を削除できます。

18.3.9.1  FLIR Ignite‎ への結果のアップロード

18.3.9.2  手動での結果の移動

検査結果を手動でコンピュータに転送する場合は、検査ルート ファイル (.xml) とルート フォルダ内の画像の両方を移動する必要があります。DCIM フォルダ構造を維持することが重要です。

18.3.9.3  カメラからの結果の削除

検査結果を転送して安全に保管したら、メモリー カード上の検査ルート ファイルを削除または置換できます。これを完了せずに検査を開始すると、カメラは前の検査での最初の未完了の検査ポイントから続行します。
    現在の検査ルート ファイルを保持、削除、または置換するかどうかは、検査ワークフローや検査ルートの作成方法によって異なります。その例を以下に示します。
  • 一部の結果をアップロードしたが、検査全体はまだ完了していない。現在の検査ルート ファイル (.xml) を保持し、検査を続行する。
  • 毎日検査がある検査ルート ファイルがあり、月曜日の検査の結果を転送した。現在の検査ルート ファイル (.xml) は、火曜日の検査のために準備しておく。
  • 次回は、カメラを使用して新しい検査を行う。現在の検査ルート ファイル (.xml) を削除し、メモリー カードのルート フォルダにデータを格納せず、新しい検査ルート ファイル (.xml) を追加する。
検査画像フォルダや検査画像をメモリー カードの DCIM フォルダから削除することもできます。新たに検査を開始すると、カメラが新しい画像フォルダを作成します。

18.4  設定

検査ルート中のカメラの動作は、検査ルート ファイルの設定により制御されます。これらの設定はカメラで上書きできます。
カメラの動作設定は、[設定] メニューから設定できます。icon (設定アイコン) > [保存オプションとストレージ] > [検査ルート] > [設定] を選択します。
    [設定] メニュー:
  • 検査ルートに従う: チェック ボックスを選択して、検査ルート ファイルからの設定を使用します。チェック ボックスを選択解除して、検査ルート ファイルの設定を上書きできるようにします。
  • 自動で次へ: この設定では、画像を保存した後にカメラが自動的にデフォルトのステータスを設定して、次の検査ポイントに進むかどうかを定義します。ほとんどの検査ポイントがデフォルトのステータスである場合、これにチェックマークを付けることで検査時間を短縮できます。検査ポイントにステータスを設定したり、コメントを追加したりすることが頻繁にある場合は、チェック ボックスの選択を解除することを推奨します。
  • デフォルトのステータス: このサブメニューを使用して、画像を保存するときに設定するステータスを選択します。サブメニュー中の選択肢は、検査ルート ファイルから取得されます。
  • 画像が必要: この設定では、検査ポイントのステータスを設定する前に、オペレータが画像を保存する必要があるかどうかを定義します。
  • 空の検査ポイントを削除: この設定は、オペレータが検査をロックするときに、すべての空の検査ポイント (画像なし、ステータスなし) を検査ルート ファイルから削除するかどうかを定義します。

18.5  検査ルートの作成

検査ルートは XML ファイルで定義されます。検査ルート XML ファイルによって、複数レベルのノード (サイト / アセット) と検査ポイントから成るルート構成が規定されます。
検査ルート ファイルでは、利用可能なステータスとカメラ動作の設定も定義されます。
検査ルート ファイルは、次のいずれかの方法を使用して作成できます。
  • FLIR Thermal Studio アプリケーション。
  • お客様独自のソリューション。FLIR Thermal SDK は、お客様独自のエクスポート/インポート ソフトウェアの構築や、既存の資産管理システムへ接続するために使用されます。
  • カメラでファイルを作成。
  • XML ファイルを手動で編集。

18.5.1  カメラでの検査ルートの作成

18.5.2  XML ファイルの手動編集

サンプルまたは空の XML ファイルがカメラのメモリー カードに作成されます。このファイルは、XML ファイルを手動で編集する際、基になるファイルとして使用できます。