30  FLIR Systems について

FLIR Systems は、高性能の赤外線イメージング システム開発のパイオニアとして 1978 年に創立され、商業、工業、官庁用のさまざまなアプリケーションに応じたサーマル イメージング システムのデザイン、製造、販売で世界をリードしています。現在、FLIR Systems には 1958 年以来赤外線技術ですぐれた業績をあげている 5 つの大きな会社が統合されています - スウェーデンの AGEMA Infrared Systems (旧社名 AGA Infrared Systems)‎、米国の 3 つの会社 Indigo SystemsFSIInframetrics、およびフランスの Cedip 社です。
2007 年以降、センサー技術分野で世界トップクラスの専門知識を有する以下の複数の会社がFLIR Systems により買収されました。
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図 30.1  1960 年代前半からの特許文書

FLIR Systems は、アメリカに 3 つ (オレゴン州ポートランド、マサチューセッツ州ボストン、カリフォルニア州サンタバーバラ)‎、スウェーデン (ストックホルム)‎ に 1 つの製造工場があります。2007 年には、エストニアのタリンにも製造工場が建設されました。ベルギー、ブラジル、中国、フランス、ドイツ、イギリス、香港、イタリア、日本、韓国、スウェーデン、アメリカに直轄の営業所を置き、世界中に張り巡らされた代理店のネットワークと共に国際的なお客様をサポートしています。
FLIR Systems は赤外線カメラ産業の革新を牽引してきました。既存のカメラの向上、新しいカメラの開発を継続的に続けることにより、市場需要を先取りしています。例を挙げると、産業検査用の初めてのバッテリー駆動のポータブル カメラ、初めての非冷却式赤外線カメラなどです。
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図 30.2  1969: Thermovision Model 661。カメラの重量は約 25 kg、オシロスコープは 20 kg、三脚は 15 kg です。オペレータは 220 VAC ジェネレーター セットと、液体窒素の入った 10 L 容器も必要です。オシロスコープの左側には、ポラロイドのアタッチメント (6 kg)‎ があります。

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図 30.3  2015: FLIR One、iPhone および Android 携帯電話のアクセサリ。重量: 90 g。

FLIR Systems は、カメラ システムの重要機構および電子部品をすべて自社製造しています。検出素子設計、レンズおよび電子システムの製造から、最終検査およびキャリブレーションまで、すべての生産プロセスは当社の技術者が実行し、指揮しています。これらの赤外線の専門家の豊富な経験により、赤外線カメラを構成するすべての部品の正確さと信頼性が確証されています。

30.1  赤外線カメラを超える機能

FLIR Systems は、高性能の赤外線カメラ システムを生産する以上のことが求められていることを認識しています。当社の使命は、最高のカメラとソフトウェアを提供することにより、当社の赤外線カメラ システムを利用するすべてのユーザーの生産性を向上することです。予測メンテナンス用のカスタム ソフトウェアについては、研究開発およびプロセス監視を社内で行っています。ほとんどのソフトウェアは、多数の言語で使用可能です。
すべての赤外線カメラに付属品を提供し、サポートしており、必要な赤外線の用途に応じて機器を適合させることができます。

30.2  知識の共有

当社のカメラは使いやすく設計されていますが、使い方に加えて、サーモグラフィについての知識を得ることも重要です。そのため、FLIR Systems は、独立した Infrared Training Center (ITC)‎ を設立し、認定トレーニング コースを提供しています。ITC のコースに参加することにより、実践に基づいた専門知識を学ぶことができます。
ITC のスタッフは、赤外線理論を実行するために必要な適用サポートの提供も行っております。

30.3  カスタマー サポート

FLIR Systems は、世界的なサービス ネットワークを運営して、お客様のカメラがいつでも動作できるようにサポートしています。カメラに問題がある場合は、お近くのサービス センターにある機器やノウハウを活用して、できる限り短い時間で問題を解決します。そのため、カメラを遠方 (地球の反対側)‎ に郵送したり、言葉の通じない担当者に問い合わせる必要はありません。